知らないとイザという時に、アタフタしてしまうお葬式、葬儀。恥をかかないための基本的なマナーを覚えておきましょう。
基本的なお葬式のマナー
冠婚葬祭には、昔からいろいろなな決まりごとがあります。地域によって、その内容はまちまちですがが、根本的なことは変わらないと言えるでしょう。最近は、地域の住民との付き合いが薄くなってきていますが、今後の付き合い方をスムーズにするためにも、基本的な冠婚葬祭のマナーを知っておくことは重要です。
特に葬儀は、日常生活において頻繁に行われるものではないため、行う側も呼ばれる側も、決まりごとやマナーを知らない方が多いと思われます。葬儀の日時が決まると、遺族、友人などから通夜や葬儀の連絡が来ることでしょう。故人と親しい間柄ならば、通夜と葬儀の両方に参列するようにします。故人とは親しくなくても、遺族と付き合いが深いのならば、弔問には伺うようにしましょう。
葬儀に参列できない場合は、弔電を打つという方法もあります。弔電の宛名は、喪主とするのがマナーです。内容は電話帳などに載っている既成のものでも構いません。基本的に弔電は通夜や葬儀の間に届くようにします。もしも、間に合わないようなら弔電は避けたほうが無難です。後日、手紙や電話でお悔やみの言葉を伝えましょう。
葬儀に参列する時のマナー
葬儀に参列する時はマナーとして、式場に入る時間にも考慮する必要があります。参列する人数が多い場合は、受付にもとても時間がかかってしまう可能性もあります。時間に余裕をもって、早めに出発して葬儀の10分前には必ず式場に入るようにしましょう。
自宅を出る前に、香典袋の中身をもう一度確認しておくとよいでしょう。まれに、書いた金額と違っていたり、中身を入れ忘れていることがあります。中身がなかった場合、遺族から請求するのも、言いづらいものですから、きちんと確認すると良いでしょう。(最近の式場では、その場で係りの人が確認したり、香典袋が不要のところもあります。)
焼香をするときも、もちろんマナーがあります。最近は、葬儀会場で葬儀がとり行われることも多く、立礼して焼香することがほとんどです。座礼のとき、立礼のときも焼香の仕方に、変わりはありません。慣れていないせいで、遺族などに一礼するタイミングなど分かっていても、なかなか難しいものですね。しかし、形式にこだわる必要はありません。故人を偲ぶ気持ちがあれば、遺族には気持ちが伝わります。
また、キリスト教、神式などの場合は焼香がありません。キリスト教の場合は献花、神式は玉串を捧げることになっています。捧げる方法にも細かなマナーはありますが、難しく考えることはありません。事前に、説明がありますから、その通りに行いましょう。最後に、焼香などが済んだら、出棺となります。故人とお別れになりますから、出棺までお見送りするようにしましょう。
葬儀でのお悔やみの言葉が思いつかない…
葬儀の受付は、葬儀会社のスタッフ、手伝いを頼まれた近隣住民、会社関係の方が担当されています。故人の親族でないからと、挨拶をしないのはマナーに反します。
受付で香典をお渡しする際は、誰が受付をしていても、
「この度は、ご愁傷様でございます」
「このたびは、ご愁傷様です」
などとお悔やみの言葉を述べるようにしましょう。
また、親しい人を見つけたからといって、走り寄ったり、大きな声で話したり、遠くから呼んだりなどはしないように気をつける必要があります。そして、タブーとされているのは、故人の死因に関して聞くことです。この場合は「本当に残念ですね」「寂しくなられましたね」などといった当たり障りのない内容にしましょう。
お悔やみの際のマナーとして、使ってはいけない言葉「忌み言葉」があります。「たびたび」「またまた」「くり返す」「重ねる」「続ける」「かさねがさね」など不幸が重なること連想されるタブーな言葉です。また、「迷う」「浮かばれない」など成仏をさまたげる言葉なども使わないように十分気をつけましょう。
葬儀の時は、親族に伝えたいこともあるでしょうが長い時間話し込まないようにしましょう。お悔やみを述べることが難しい、言葉が浮かんでこないなどの時には、軽く黙礼だけでも失礼にはなりません。遺族の気持ちを察してあげることこそが最大のマナーなのです。
香典について
葬儀に参列する時に、香典で悩むことが多いと思います。いくら包めばいいのか? 表書きは?など、いろいろな決まりごとがありますから、間違えないように気をつけましょう。通夜と葬儀の両方に参列できるは、葬儀の時に香典を持参するといいでしょう。また、香典の袋には、たくさんの種類があります。仏式の場合は、黒白の結び切りの水引がついたものを用意してください。
結び切りには、二度と繰り返されないという意味があります。(結婚式には、この結び切りの赤白を持って行く事は常識とされています。)この時の、表書きは「御香料」と書きます。
神式の場合は、黒黒の結び切りで「御神前」とし、共通のものとして使われているのは、黒白の結び切りで表書きは「御霊前」と入れるようにします。キリスト教式の葬儀であれば、結び切りはつけずに「御花料」と表書きをしておきます。
便利なもので、現在は、表書きが印刷されたものもたくさん売られています。金額が低いならば、印刷されたもの香典袋、簡素にできている香典袋に入れるなど、包んでいる金額にあわせて香典袋を使用するようにしてください。
また、氏名を書く場合には、薄墨の毛筆で書くようにします。連名の場合は、目上、年齢の順に右側から書きましょう。大抵、どこの文房具やでも薄墨の毛筆ペンが売られていますから、一本は家庭においておくとイザというとき安心です。
重要な、包む金額ですが、5,000円が平均とされています。親族、身内であれば、10,000円は入れるのが礼儀です。親族、身内の場合は、相談してみんなで同じ金額に決めることが多いようです。また、以前に頂いたことがあるのならば、同等の金額を包むようにしても良いでしょう。葬儀に参列できない時は、香典を郵送しても大丈夫です。お悔やみの手紙も同封して現金書留で、喪主宛に送ります。
葬儀に出席するときの服装
みなさんご存知の通り、葬儀に参列する時は、喪服や礼服を着ていくのが基本マナーです。ところが、通夜はそうでもありません。一般的には、通夜には喪用の礼服ではなく、黒っぽい色の平服で参列しても良いとされています。
しかし、葬儀には参列できずに、通夜のみの参列にする場合には、出来れば礼服を着て行く事が望ましいです。もちろん、突然の事で準備が出来ないのであれば、喪服にこだわる必要はありません。その際は、派手なものは避け、黒色などダークな色の落ち着いたデザインの服装にするようにします。
女性は、ネックレス、指輪などのアクセサリー類を外すことを忘れないようにしましょう。また、お子さんが参列する場合、学生服があるならば制服で参列する礼儀と成ります。制服がないお子さんの場合は、黒っぽい服装を着せて参列しましょう。葬儀、通夜に参列できずに、後日、ご遺族の家を訪問するとこもあると思います。この場合は、派手な服装でなければ、平素の服装でかまいません。
葬儀が終わっても、遺族にはいろいろとしなくてはいけない事が多いので、多忙なことが多々あります。また、故人を亡くした寂しさ悲しみも、葬儀後に押し寄せてくるものです。あまり長居しないようにして、お悔やみを簡潔に申し上げるようにしましょう。葬儀に関するマナーは、地域独特なものや、昔からの慣わしが多いものです。分からないことは、身内やご近所の年配者にに聞くと良いでしょう。