高校生の就職活動や進学に向けた面接は、こういった体験が初めての人も多いでしょう。しかし、面接で最も重要なパートの一つが自己PRです。自分の長所や特徴を効果的にアピールできるかどうかが、面接の成否を左右すると言っても過言ではありません。
この記事では、高校生向けの自己PR例文と、効果的なアピール方法についてご紹介します。自己PRは決して難しいものではありません。あなたの個性や強みを上手に伝えるコツを身につければ、面接官の心に残る印象的なPRができるはずです。
自己PRの基本
自己PRとは、文字通り自分自身をPR（宣伝）することです。しかし、ただ自分の良いところを並べ立てるだけでは効果的とは言えません。面接官に「この人と一緒に働きたい」「うちの学校で学んでほしい」と思わせることが重要です。
効果的な自己PRには、以下の要素が含まれていることが望ましいでしょう。
1. 自分の長所や特徴
2. それを裏付けるエピソード
3. 志望する企業や学校でどのように活かせるか
これらの要素を意識しながら、あなたならではの自己PRを作り上げていきましょう。
高校生向け自己PR例文
それでは、具体的な自己PR例文を見ていきましょう。ここでは3つの例を紹介します。自分の性格や経験に近いものを参考にしてください。
例文1：リーダーシップを発揮した経験がある場合
「私の長所は、周囲の人々と協力しながら目標に向かって進む力です。高校では生徒会長を務め、学園祭の企画・運営を任されました。当初は意見の対立もありましたが、私は各クラスの代表と丁寧に話し合いを重ね、全員が納得できる企画を作り上げることができました。その結果、過去最高の来場者数を記録し、先生方からも高い評価をいただきました。
この経験から、多様な意見をまとめ上げ、チームの力を最大限に引き出すことの重要性を学びました。貴社に入社後も、この協調性とリーダーシップを活かし、チームの一員として、また時にはリーダーとして、会社の発展に貢献したいと考えています。」
例文2：部活動で努力を重ねた経験がある場合
「私の強みは、目標に向かって粘り強く努力を続ける力です。高校では陸上部に所属し、3年間400メートル走の記録更新に挑戦し続けました。1年生の時は県大会予選すら突破できませんでしたが、毎日の練習に加え、自主トレーニングも欠かさず行いました。その結果、3年生の時には県大会で3位に入賞し、インターハイへの出場を果たすことができました。
この経験を通じて、コツコツと努力を積み重ねることの大切さと、諦めずに挑戦し続けることの重要性を身をもって学びました。貴社に入社後も、この粘り強さを活かし、どんな困難な課題にも諦めずに取り組み、会社の目標達成に貢献したいと考えています。」
例文3：ボランティア活動に熱心に取り組んだ経験がある場合
「私の特徴は、社会貢献に強い関心を持ち、行動力があることです。高校在学中、地域の児童養護施設でボランティア活動に参加し、子どもたちの学習支援や遊び相手を務めてきました。当初は子どもたちとの接し方に戸惑いましたが、定期的に通い続けることで信頼関係を築くことができました。
特に印象に残っているのは、勉強が苦手だった小学生の男の子が、私の指導のおかげで算数のテストで高得点を取れたときのことです。彼の喜ぶ顔を見て、人の役に立つことの素晴らしさと、継続的な支援の重要性を実感しました。
貴社は地域社会への貢献を重視されていると伺っています。私はこの経験を活かし、業務だけでなく、貴社の社会貢献活動にも積極的に参加し、会社と地域社会の架け橋となりたいと考えています。」
自己PR作成のポイント
上記の例文を参考に、あなた自身の自己PRを作成してみましょう。作成する際は、以下のポイントに注意してください。
1. 具体的なエピソードを含める
「協調性があります」「努力家です」といった抽象的な表現だけでは、面接官の印象に残りにくいでしょう。必ず具体的なエピソードを交えて、あなたの長所や特徴を裏付けてください。
例えば、「協調性があります」と言うだけでなく、「文化祭の準備で、クラスメイトと協力して短期間で素晴らしい出し物を作り上げました」というように、具体的な場面や成果を示すことが大切です。
2. 数字を使って成果を示す
可能であれば、具体的な数字を用いて成果を示すことをおすすめします。数字は説得力があり、面接官の記憶に残りやすいからです。
例えば、「部活動の部員数が10人から30人に増えた」「募金活動で前年比150%の金額を集めた」といった具合です。
3. 志望動機とリンクさせる
自己PRは、なぜあなたがその企業や学校に向いているのかを示す絶好の機会です。あなたの長所や経験が、志望先でどのように活かせるのかを具体的に述べましょう。
例えば、「私のコミュニケーション能力を活かして、貴社の顧客満足度向上に貢献したいと考えています」といった具合です。
4. 短所の克服エピソードを含める
完璧な人間はいません。むしろ、自分の短所や弱点を認識し、それを克服しようと努力している姿勢のほうが評価されます。短所を長所に変えたエピソードがあれば、ぜひ盛り込みましょう。
例えば、「以前は人前で話すのが苦手でしたが、スピーチコンテストに挑戦し、練習を重ねた結果、今では人前で堂々と話せるようになりました」といったエピソードです。
5. 面接官を引き付ける導入を考える
面接官は一日に何人もの応募者と面接をしています。最初の一文で面接官の興味を引くことができれば、あなたの自己PRはより印象に残るでしょう。
例えば、「私の人生を変えた出来事は、高校1年生の時の挫折経験でした」といった導入であれば、面接官は「どんな挫折だったのか」「それをどう乗り越えたのか」と興味を持って聞いてくれるはずです。
自己PR作成の手順
では、実際にあなたの自己PRを作成していきましょう。以下の手順に従って、あなたならではの魅力的な自己PRを完成させてください。
1. 自己分析を行う
まずは自分自身をよく知ることから始めましょう。以下の質問に答えてみてください。
– 自分の長所は何か
– どんな経験が自分を成長させたか
– 学校生活や部活動、アルバイトなどで頑張ったことは何か
– 友人や先生からよく褒められるのはどんなところか
– 将来どんな人間になりたいか
これらの質問に丁寧に答えていくことで、自分の強みや特徴が見えてくるはずです。
2. エピソードを洗い出す
次に、自己分析で見えてきた自分の特徴を裏付けるエピソードを思い出してください。学校生活、部活動、ボランティア活動、アルバイトなど、あらゆる場面を振り返ってみましょう。
特に印象に残っているエピソード、努力して成果を上げたエピソード、人間的に成長できたエピソードなどを中心に、できるだけたくさん書き出してみてください。
3. 志望動機と結びつける
洗い出したエピソードの中から、志望する企業や学校の求める人物像に最も合致するものを選びましょう。そして、そのエピソードで得た経験や能力が、どのように志望先で活かせるかを考えてください。
例えば、接客のアルバイトで培った対人スキルを、営業職で活かしたいといった具合です。
4. 構成を考える
いよいよ自己PRを組み立てていきます。基本的な構成は以下の通りです。
1. 導入：面接官の興味を引く一文
2. 本論：自分の長所や特徴、それを裏付けるエピソード
3. 結論：その長所や特徴をどのように活かしていきたいか
この構成に沿って、箇条書きでもいいので、まずは大まかな流れを作ってみましょう。
5. 文章化する
構成ができたら、実際に文章化していきます。この時、以下の点に注意してください。
– わかりやすい言葉を使う
– 一文を短めにする
– 語尾を統一する（です・ます調がおすすめ）
– 適度に段落を分ける
6. 推敲する
文章化したら、声に出して読んでみましょう。不自然な表現や言い回しがないか、全体の流れは自然か、などをチェックします。可能であれば、家族や先生に読んでもらい、アドバイスをもらうのもよいでしょう。
自己PR実践のポイント
自己PRを作成したら、次は実際の面接で上手く伝えるための準備をしましょう。以下のポイントを押さえて、練習を重ねてください。
1. 暗記しすぎない
自己PRを完全に暗記してしまうと、面接官の質問に柔軟に対応できなくなる可能性があります。要点だけを覚え、あとは自分の言葉で自然に話せるようにしましょう。
2. 表情や姿勢に気をつける
内容だけでなく、話し方も重要です。明るく前向きな表情で、姿勢よく話すことを心がけましょう。目線は面接官の目や額あたりに向け、視線を泳がせないようにします。
3. 声の大きさやスピードに注意する
適度な声の大きさとスピードで話すことが大切です。小さすぎる声や早すぎる話し方は、面接官に良い印象を与えません。普段より少し大きめの声で、ゆっくりはっきりと話すよう心がけましょう。
4. ジェスチャーを適度に使う
手振りや身振りを交えて話すと、より印象的な自己PRになります。ただし、大げさな動きは控えめにしましょう。手のひらを見せるジェスチャーは、誠実さや開放的な印象を与えるのでおすすめです。
5. 質問への対応を準備する
自己PRの後には、面接官から質問が来ることがあります。想定される質問とその回答を事前に準備しておきましょう。例えば、「その経験から具体的に何を学んだのか」「その長所が仕事でどう活かせるのか」といった質問です。
まとめ
自己PRは、あなたの魅力を最大限にアピールする絶好の機会です。この記事で紹介した例文やポイントを参考に、あなたならではの個性的で印象的な自己PRを作成してください
